〜MTBをもっと楽しく!〜  B.C.porter

<COLUMN>
「マウンテンバイクの魅力」
 「マウンテンバイク(以下MTB)」、名前のとおり山の楽しさ、自転車の楽しさ、を凝縮した遊び(スポーツ)なんだと思う。
 僕が感じるものを簡単に書き出してみよう。風を切って走る爽快感。走りきった達成感。仲間ができる喜び。走りにくい路面で自転車を上手く操る楽しさ。風、鳥、虫など自然の音を感じられること。軽量で担ぎやすかったり、丈夫で、走破性が高く、機動力があること。極端な負担を体にかけない全身運動は健康的。単純なしくみの自転車はメンテナンス性もすぐれ、また単純ゆえに繊細な作りやセッティングを要求され物理的にもマニア心をくすぐること。・・・などなど。
 これらはどれも実際MTBを体験した事がある人なら理解してもらえると思うし、体験しないと得られない感動である。自分がいいと感じる事を、人にも勧めたいと思い、それも理由で、このB.C.porterを発足させたのだ。
 もちろん、普段はこんな事を考えながらMTBに乗っているわけはないけど、こうして改めて振り返るといっそうMTBの魅力にとりつかれていく。
 
 山地図を読み、行ってみたい道を探す。不人気そうな山道、尾根の道、距離もそこそこ、斜度もキツ過ぎず緩過ぎず、水道(みずみち)でコーナーの続いていそうな道を期待して・・・。想像するだけで冒険心がかきたてられる。
 使い慣れた自分のバイクを押したり担いだり、もちろん漕いで登れるところは漕いで登る。途中、なぜこの道ができたのか、想いにふける。見晴らしの良いピークへの道なのか、昔の生活道なのか、獣道が元なのか、登山道の廃道なのか・・・。ふと気づく。木々や草花が美しい花や葉をつけている、不思議なカタチの虫、鳥獣の気配、自分の何倍もの時を生きている大木、風や土の匂い、山に抱かれている恐怖心・・・。時折見える麓の街。生命力の迫力から自然の偉大さに驚き、改めて“生かされている”ことを感謝する。
 目的のピークへ到達。体の疲れが消えていくのとは反対に、このトレイルにこれから挑むトレイルダウンヒラーの心の炎が燃えてくる。それは「速く走ろう」とかそういったものではなく、すべてのテクニックを駆使してできるだけ足をつかずに、かつ安全に、バイク伝いに“山”をできるだけ感じてやろうと燃えるのだ。木の根や岩、やわらかい土、すべる落ち葉、時にはその上に積もる雪。走りにくい路面を上手にバイクコントロールして下っていく。危険回避のためにバイクから降りるはめになると悔しい。一時間もかけて登ったのに10分で下りきってしまう。その一瞬でいかに楽しんだかは下りきった時の自分の中に沸いてくる達成感や爽快感の度合いで決まる。「最高のダウンヒルができた!」・・・。そう、すべては自己満足の世界なのだ。

 多くの人と一緒に乗るようになって驚いたのが、MTB乗りの中には「登りで疲れるのがイヤだ。」「土で汚れるのがイヤだ。」「虫を見るのもイヤだ。」「雨の山へ入るなんてありえない。」「バイクメンテナンスは面倒くさい。」・・・などを言う人が以外と多くいること。もちろん僕もそう思っていた時期もあるのだけど・・・。僕は“もったいない”と感じる。どれも考え方一つ変えただけで、MTBがとても楽しくなっていったから・・・。
 登りで疲れるのは当たり前。“自転車”、読んで字の如く。自分の力で前に進めることはすばらしい。汗をかいて、登りきったそこに吹く風が感動をくれる。僕は下りが大好きで、そのために登るのだけれども、せっかく登るのだったらそれも楽しむ。歩いたっていいんだし、スピードが違えば見える景色も違う。動物の気配や虫の偉大さ、植物の生命力の力強さなど、山の迫力を感じて自分が生かされていると思い、感謝するのは、実際山でMTBを押し登っている時が多い。

 山へ入ってもずっと最新機材やトレイルライドでのライン取の話。もちろんそれも大事だけど、“山”にも目を向ければ山に感動するとともに“マウンテンバイクでなければならない理由”に気づくだろう。
 雨の山。土が軟らかく流れやすい。自然環境へのインパクトを考えれば、雨の山道を走るのは避けた方がいいかもしれない。しかし、せっかく山を楽しむのであれば、雨の山も経験しておくのもいいと思う(それなりの経験や知識、技術がないと危険)。雨が降ると、雨の音で山の中が静かになる。新緑の葉が濡れて光っている光景はとてもきれいだ。雨はまた別の感動をくれる。
 バイクメンテナンス。自転車はとても繊細な乗り物。チェーンに油をつけただけでぐんと乗りやすくなるのはすぐに体感できる。最新機材も年々すばらしいモノになっていく。いろんなアイディアを見ているだけでも楽しい。いじり手もプロと素人では乗り味に大きな差がでるのも繊細な乗り物ということを実感させられる。上記にある感動を得るための手助けをしてくれるMTBは大切に扱って感謝しなければいけない。

 マウンテンバイク。  “山” “自転車”。 多くの感動を得るための“ツール”。すばらしい遊び(スポーツ)だと僕は思う。